『僕らは奇跡でできている』(ぼくらは きせきで できている)は、2018年10月9日から関西テレビ制作・フジテレビ系の「火曜21時枠」で放送されているテレビドラマである[1]。主演は民放ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演となる高橋一生[1]。物語は脚本を手掛ける橋部敦子の完全オリジナル[1]。公式ハッシュタグによる略称は『僕キセ』[2]。
あらすじ[編集]
大学で“動物行動学”を教える相河一輝は、大学時代の恩師・鮫島瞬からの誘いで半年前に講師として大学に赴任したのだが、大好きな動物や生き物に関して没頭してしまう性格であるが故に大学からはお叱りを受けてばかりいる。しかも面倒くさいことは後回しにする癖があり、時間を守ることが大の苦手である。それは講義においても例外ではなく、学生に与えた課題について発表させるものの、一輝はその課題に対する正解について曖昧な言動に終始し周囲を惑わせる。しかし、その一方で常識や固定観念に囚われない一輝に接することで、周りの人間は自分たちの価値観の意味を問い直すことになる。
大学での講義と並行して、一輝は鮫島の紹介で通い始めた歯科クリニックで院長の水本育実と出会う。自分の興味に没頭してたびたび診療をすっぽかす一輝に育実は大いにいらだつが、彼の言動に影響を受け、恋人の鳥飼雅也との関係を見直してゆく。また一輝は、育実のクリニックで出会った少年・宮本虹一と交流し、「普通」にふるまえず母親に叱られてばかりいる彼を自由に遊ばせる。
登場人物[編集]
人名読み、設定年齢はノベライズによる。
都市文化大学[編集]
- 相河一輝(あいかわ かずき)〈35〉
- 演 – 高橋一生(幼少期:岩田琉聖)
- “動物行動学”を教える専任講師。
- 物語開始の半年前に赴任したのだが、准教授や教授になる欲はない。動物や生き物といった興味のあることに関しては夢中で研究したりする一方、不得意なことに関しては後回しにしてしまう悪い癖がある。時間を守ることは大の苦手。
- 理屈っぽい上、周囲の細かい言動に対していちいちツッコミを入れてしまう。他者の話すらまともに聞くことができない(自分の発言は、興味がないことに関しては忘れてしまうらしい)。失言も多く、常に周りを惑わせてしまう。
- 自宅では「ジョージ」と名付けたヘルマンリクガメを飼っている[3]。
- 最近のお気に入りは、山田が作る「ピリ辛きゅうり」(抜歯直後は控えていた)。
- 樫野木聡(かしのき さとし)〈37〉
- 演 – 要潤
- 准教授。極度な上昇志向の持ち主。教授の座を狙って論文作成に勤しんでは鮫島に媚びを売っている。
- 鮫島の誘いで大学講師となった一輝のことは快く思っていないが、常にマイペースな性格の一輝に最も振り回されてしまうという損な役回りを買ってしまう。
- バツイチで子どもも1人いる。一輝からは無神経に「どうして離婚したんですか」と頻繁に尋ねられている。
- 沼袋順平(ぬまぶくろ じゅんぺい)〈40〉
- 演 – 児嶋一哉
- アリを専門に研究する一輝の同僚講師。
- 研究室では何十匹ものアリを飼育し、全てのアリを識別できる、アリオタク。
- 一輝や樫野木とは一定の距離を置きつつも、研究室内ではアリに対する声かけが彼らの会話へのツッコミとなることが多い。
- 後述の「チェインストーリー」では主人公扱い。毎回他の登場人物の性格や人間関係に関する考察をしている。
- 新庄龍太郎(しんじょう りゅうたろう)
- 演 – 西畑大吾(なにわ男子 / 関西ジャニーズJr.)[4]
- 一輝の教え子の1人。群馬県から上京してきた。
- 容姿には恵まれているが、周りからはよく突っ込まれる天然的な性格の持ち主。
- 人生の目標は定まっておらず、大学にも遊び感覚で通っている節がある。一輝の講義中は寝ていることが多い。
- 実家はコンニャク農家兼製造メーカー。実家を「ダサい」と感じており、友人たちの前では実家の話題を嫌がる(桜が薦めるこんにゃくゼリーも口にしなかったのもそのため)。
- 家業を継ぐべきかどうかを悩んだ際には一輝に相談をしたが「僕が新庄さんなら、作りません(=継ぎません)」と言われてしまう。
- 青山琴音(あおやま ことね)
- 演 – 矢作穂香
- 一輝の教え子の1人。
- ファッションに興味を持つ女子的な一面がある反面、好きな異性には果敢に攻めていく野性的な性格も持ち合わせている。
- 最初の頃は一輝の講義に無関心を装っていたが、一輝の予期せぬ言動により、少しずつ興味を持ち始める。
- 尾崎桜(おざき さくら)
- 演 – 北香那
- 一輝の教え子の1人。
- 一輝の講義をしっかり聞いているものの、内向的な性格のため、自ら進んで発言することは苦手。自分に自信が持てずにいる。
- こんにゃくゼリーが好物で、友人たちにも分け与えている。
- 須田巧(すだ たくみ)
- 演 – 広田亮平
- 一輝の教え子の1人。
- 一輝の教え子の中で最もしっかり者で常識人。天然的な言動が目立つ龍太郎によくツッコミを入れている。
- 熊野久志(くまの ひさし)
- 演 – 阿南健治
- 事務長。常にマイペースな一輝には手を焼いており、研究室に乗り込んできては説教を繰り返している。
- 「ルールは守ってください」が口癖。
- 鮫島瞬(さめじま しゅん)〈62〉
- 演 – 小林薫
- 生命科学部学部長。一輝らの所属する動物生態学研究室教授。
- 大学時代の一輝の恩師。一輝を大学講師に誘い出した張本人であり、大学を卒業した後も事あるごとに自分のフィールドワークに参加させてきた。
- 非常に探究心溢れ、ユーモアも持ち合わせている。自由奔放な性格の持ち主で、自由すぎる一輝の行動に賛同することが多い。
- 熊野事務長からの苦情は受け流している。
水本歯科クリニック[編集]
- 水本育実(みずもと いくみ)〈31〉
- 演 – 榮倉奈々[5]
- 院長であり一輝の担当歯科医。
- 親から受け継いだ地域密着の歯科医院運営と並行して外部の審美歯科にも勤めている。
- 容姿端麗で誰もが羨む才色兼備の持ち主。「輝く女性」として雑誌にインタビュー取材を受ける。一方、性格が生真面目で、正論を言い放つため、周りからは冷ややかな目で見られがち。
- 中々時間を守らず、人の話をまともに聞こうとしない一輝には苛立ちを覚えるが、一輝の偏見や常識に囚われない姿を見るにつけ、自分が抱く価値観に少しずつ違和感を持ち始める。
- 一輝からはイソップ童話のウサギに例えられ、しかも「ウサギはカメを見下している。ウサギは自分がすごいと証明したいから」と言われ、ショックを受ける。
- 丹沢あかり(たんざわ あかり)
- 演 – トリンドル玲奈[6]
- 歯科衛生士。如何なる場合においてもプライベートを優先するタイプ。仕事は早めに切り上げて帰宅する。時に育実に対しては痛いところをついてくる。
- 坂下祥子(さかした しょうこ)
- 演 – 玄覺悠子
- あかりの先輩にあたる歯科衛生士。
相河家[編集]
- 相河義高(あいかわ よしたか)
- 演 – 田中泯
- 一輝の祖父。陶芸家。
- 一輝にとっては最大の理解者なのだが、一輝には長年隠し続けてきた事実があり、そのことを未だに打ち明けられずに思い悩んでいる。
- 山田妙子(やまだ たえこ)
- 演 – 戸田恵子
- 一輝の家に住み込みで働いている家政婦。
- 一輝が15歳の時から働いているだけに、一輝に対しては歯に衣着せぬ発言が多いが、一輝にとっては自分の思いを素直にさらけ出すことができる稀有な存在。一輝のことはなんだかんだで温かく見守っている。
- 一輝の部屋に入る際には必ず「入ります」と言い、大河原のおばあちゃんの愚痴を言うのがお約束。
その他[編集]
- 宮本虹一(みやもと こういち)〈9〉
- 演 – 川口和空
- 一輝が水本歯科クリニックで出会った男の子。弟・直樹(なおき)が同クリニックで治療を受けるため母親とともに付き添っていた際に一輝と出会う。
- その後も出会うたびに「イソップ童話のカメは寝ているウサギに声をかけなかったのはなぜか」「虹が虫偏なのはなぜか」など、一緒に謎解きをしている。
- 塾に通っているが、テストの成績は悪く「教科書を読むと頭が痛くなる」と訴えている。半面、絵を描くことは大好きで、一輝との生き物の話にも夢中になっている。
- 宮本涼子(みやもと りょうこ)
- 演 – 松本若菜
- 虹一の母。虹一には「普通であってほしい」と願っている。
- 鳥飼雅也(とりかい まさや)
- 演 – 和田琢磨
- 育実の恋人。歯科医として活躍し裕福な育実に対して劣等感を持っており、彼女に対して「自分を見下している」と告げる。
- 新庄徹(しんじょう とおる)
- 演 – 髙橋洋
- 龍太郎の父。群馬県のコンニャク芋農家で、食品としてのコンニャク製造メーカーも兼ねている。
- 新庄京子(しんじょう きょうこ)
- 演 – 阿南敦子
- 龍太郎の母。
スタッフ[編集]
放送日程[編集]
話数 | 放送日 | サブタイトル[9] | 演出 | 視聴率 |
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第1話 | 10月9日 | 常識破りマイペース講師 | 河野圭太 | 7.6%[10] |
第2話 | 10月16日 | 鳥と話す男、ひとり焼肉へ | 6.1%[11] |
第3話 | 10月23日 | 少年を動物園に連れサル!? | 星野和成 | 6.2%[12] |
第4話 | 10月30日 | 星降る夜のコンニャク!? | 7.0%[13] |
第5話 | 11月6日 | 女ゴコロと虫歯のナゾ!? | 河野圭太 | 6.0%[14] |
第6話 | 11月13日 | 破れギョ-ザは涙の味!? | 星野和成 | 6.4%[15] |
(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム) |
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チェインストーリー[編集]
本編終了直後から○.5話として配信され、全話が2018年12月18日までGYAO!で独占配信されている。
- サブタイトル
- 1.5話 – 相河一輝に関する仮説
- 2.5話 – 樫野木聡に関する仮説
- 3.5話 – 水本育実に関する仮説
- 4.5話 – 山田妙子に関する仮説
- 5.5話 – 学生たちに関する仮説
- 6.5話 – 熊野事務長に関する仮説
- キャスト
- 児嶋一哉
- 高橋一生(1.5話ゲスト)
- 要潤(2.5話ゲスト)
- 榮倉奈々、トリンドル玲奈、玄覺悠子(3.5話ゲスト)
- 戸田恵子、ベルナール・アッカ(4.5話ゲスト)
- 矢作穂香、北香那、広田亮平(5.5話ゲスト)
- 阿南健治(6.5話ゲスト)
- スタッフ
- 脚本 – がじん祥太
- 音楽 – 兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
- 蟻研究指導 – 吉澤樹理(立教大学)
- 演出 – 千葉行利(ケイファクトリー)
- プロデュース – 豊福陽子(カンテレ)、宮川晶(ケイファクトリー)、佐藤貴亮(ケイファクトリー)
- 特別協力 – GYAO!
- 制作協力 – ケイファクトリー
- 制作著作 – カンテレ
関連商品[編集]
書籍[編集]
- オフィシャルブック
- 関西テレビ・監修『僕らは奇跡でできている SPECIAL BOOK』(KADOKAWA)
- ノベライズ
- 橋部敦子・脚本、木俣冬・ノベライズ『僕らは奇跡でできている』扶桑社〈扶桑社文庫〉
- シナリオ掲載雑誌
- 『ドラマ』2018年11月号(映人社) – 第1話シナリオ掲載
脚注[編集]
外部リンク[編集]
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